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オートマチックオイルの交換は本当に必要?交換時期や費用の目安

今や新車時の90%以上がAT車であり、中古車においてもAT車における市場シェアは高いものとなっています。

昨今においては、多段化されたATが登場し従来では4速、5速、6速が主流でしたが、車種によっては7速、8速、9速と多段ATが搭載されています。
この多段化されたATにとって重要な役割を担っているのがオートマチックトランスミッションオイルです。

オートマチックトランスミッションオイルの役割

そもそもオートマチックトランスミッションオイルは主に作動油として使用されていますが、主に4つの大きな役割を果たしています。
それが、動力伝達、潤滑、冷却、清浄分散です

まず、動力伝達はエンジンからの動力をオートマチックトランスミッションに伝え、オイルの流れを利用して流体エネルギーとしてトランスミッションに伝達します。
次に、オートマチック内部には様々な精密な金属で構成されており、それら部品の摩擦抵抗を軽減し、スムーズに動作できるよう潤滑油としての役割を担っています。

そして、摩擦によって発生する熱を吸収しオートマチック全体を冷やす役割を担っています。
最後に、金属同士が摩擦によって発生する金属粉を自ら取り込み一定の場所に蓄積されないよう分散する清浄分散作用を持っています。

粘度の低下

このようにATを構成するにあたり、とても重要な役割を担っており、また搭載されるATの種類によってそれらに合わせてチューニングされ作られているのが特徴です。
そして、このオートマチックトランスミッションオイルはエンジンオイルと比べると燃焼ガスなどが混入しない為、希釈されないので劣化のスピードは遅いです。

しかし、エンジンと同様にATは熱負荷が高い為、熱による影響を受けているので熱による劣化が起きます。
一般的に油というのは熱負荷を受けると粘度が低下します。

粘度が低下すると、本来必要な粘度を保つことが出来なくなり、油膜がしっかりと張れなくなります。
油膜が張れないほど、粘度が低下すると焼き付きの原因になりかねます

金属粉の発生

また、走行すればするほど機械ですので金属粉が発生します。
金属粉を取り込みますが、取り込める量にも限界があります。

その為、走行距離を重ねれば重ねるほど取り込める量に限界が訪れ、場合によっては細いパイプラインに堆積してしまいスムーズなシフトチェンジが行う事が出来なくなり、シフトショック、加速の低下、摩擦抵抗の増加による燃費の悪化が起こります

このような症状が起きてからでは遅い為、定期的な交換が必要です。
具体的には2年に1度、2万キロに1度が交換目安です。

構造上、分解整備しなければ全量交換が出来ない為、汚れてからでは交換では遅く、汚れ初めに交換するのが最も効果的なのでお勧めです。

交通事故で困った時は

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