COLUMN車のトラブル解決コラム

クーラント液を補充したのですが、原液をそのまま入れるとだめですか?

つい前日、ガソリンスタンドでクーラントを補充した方がよいとのことで、面倒だったので補充をお願いしましたが、何やら原液そのままを投入するように見えたので、少々危ないと思い、作業を見守っていました。

このケースでは原液に対して、水を後から計算して入れていたので、特に問題となるケースではありませんでしたが、原液のままだとどうしていけないのでしょうか。
ここでは正しいクーラント液の利用方法を解説します。

クーラント液とは

車のエンジンは通常使用していると非常に高温となり、そのまま走り続けるとあらゆるパーツが熱により破損してしまいます。その不具合を防止するために、冷却する必要がありますが、その冷却をするために水を利用します。

ただし、水をそのまま利用するとエンジンパーツの大半が、鉄やアルミなどの金属パーツであるが故に錆や不純物で、エンジンに悪影響を与えます。そこでクーラント液を水に混ぜる形で使用し、その冷却水が原因で発生する錆や不純物の影響を避ける目的があります。

クーラント液の成分は

クーラント液は、錆を防止するとともに水だと氷点下になると凍ってしまうため、水を凍結させない目的もあります。

そのため、不凍液とも呼ばれます。不凍液としての成分は、エチレングリコールが働き、錆止め防止の成分が入っています。そのため、原液の状態はどちらかというとドロッとした感覚の液体となっています。

原液使用はどうしてNG

今までの解説の中で、不凍目的と錆止め目的の2つを挙げましたが、その2つの目的で行くとどうして原液での使用はNGなのでしょうか。
その理由は、その性質的な部分です。

先ほどの解説でドロッとしていることを挙げましたが、単純に冷却目的であれば、水の方がよいのです。水は非常に流動性が高く、エンジン内の細かい水路に入り込みます。

ただ、この水路は冷却効率のために非常に緻密なため、ドロッとしている状態では、水路に入りきらないのです。そのことから、冷却性能が著しく低下することがあり得ます。

濃度が濃すぎてもダメ

濃度は、一般的に30~50%で使用することを推奨されています。濃度は70%程度で性能が不変となることや、先に挙げた流動性の関係から、デメリットはあってもメリットはありません。

濃度は、不凍温度が変わるのみで、寒冷地での使用でも濃度を高める必要性はないと考えられます。エンジンの冷却効率を考えても、標準使用の濃度で十分対応可能です。

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